
A&D GX-Z7000 3ヘッドカセットデッキ
2024.8.23
外形寸法 幅440x高さ111x奥行353mm 重量 6.5kg
高音質を追求しつつ実用的な機能のみを搭載した3ヘッド カセットデッキ。
録音ヘッドと再生ヘッドにはLC-OFC巻線スーパーGXヘッドを採用しています。
LC-OFC(線形結晶無酸素銅)は、無酸素銅の結晶を線状に引き伸ばしたもので、一般のタフピッチ銅に比べてコンデンサー効果をもつ結晶粒界の数が約7,500分の1に減少しています。
さらに、亜鉛化銅(Cu2O)による整流作用(半導体)が無いというメリットも併せ持っています。
このため、タフピッチ銅が多数のコンデンサーや半導体が連結したものと見なされるのに対し、LC-OFCはそれらを大きく改善し、伝送歪が著しく低減されています。
特に信号電流レベルが微小な再生ヘッドでは解像力が大きく改善され、音楽のクリアネスを向上しています。
スーパーGXヘッドのコアには、高周波特性に優れたフェライトを独自の技術によって高精度加工して使用しています。
これにより高域でのロスの少なさやワイドな周波数特性、低歪率といった音質面での特徴を得ています。
メカニズム部にはデュアルワイドテープガイドを備えたクローズドループ・ダブルキャプスタン方式を採用しています。
マニュアルバイアスコントロール機能を搭載しています。
録音バイアス専用のスレーブバイアス発振回路の設置により、録音バイアス値を±20%の範囲でコントロールすることができています。
録音 アンプ部は無帰還プッシュプル構成とし、さらに定電流駆動するドライブ方式を採用しています。
この構成とヘッドのドライブ能力によって高域のリニアリティが格段に向上しています。
再生イコライザーアンプ部にはシンプル&ストレートを基本コンセプトに開発したアンプを搭載しており、ツインアクティブ電源の効果ともあいまって高スルーレート、高安定度の動作を可能にしています。
電源部は信号系とメカニズム系を分離した構成となっており、電源回路間の相互干渉を防いでいます。
また、アンプ回路とノイズリダクション回路の電源をそれぞれ独立した±2電源としており、アンプ系に干渉を与えず濁りの無い音を
得るとともに安定したドルビーNR/dbx NRのプロセシングを可能にしています。
録音・再生アンプ回路には独自のツインアクティブ電源を採用しています。
ツインアクティブ電源では、あらゆる帯域の電流変動に対しても安定した電力供給を維持するため、広帯域にわたる低 出力インピーダンス化を実現しています。これにより大電流が要求される低域信号への応答性も改善されています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB-C NRを搭載しています。
ドルビーICは新開発の3ヘッド用ワンチップE(エンコード)/D(デコード)タイプを搭載しており、特性誤差による音質劣化を抑えています。
メカニズムを動作させるマイクロコンピューターの発生する高周波雑音成分の干渉を防ぐため、再生イコライザー アンプを銅めっきシールド板でシールドしています。
さらに、EMI(電磁妨害)フィルターの挿入や独立巻線電源トランスなどの対策が講じられています。
また、電源からの高周波雑音成分を防ぐため、電源トランスにアイソレートスペーサーを採用しています。
トランジスタには増幅系から電源部までEBET(折返し電極トランジスタ)を使用しています。
このEBETはスルーレイトに優れ、分解能の向上をもたらしています。
フィルムコンデンサーには音質的に吟味された西ドイツERO社などの高音質パーツを最適な箇所に配しています。
また、高周波の遮断や高域補償用のインダクター(コイル)には伝送歪の少ないLC-OFCを使用し、高域の分解能を改善しています。
このコイルのコア材には低歪率コアを採用しています。
電解コンデンサーには オーディオ専用に開発された高純度アルミ箔防振巻構造のものを全面的に使用しています。
また抵抗には、抵抗体の基材から塗膜まで綿密な検討を加えた新開発高音質抵抗を全面的に採用しています。
ディスプレイには3ウェイ4デジット電子カウンターを搭載しており、テープカウンターだけでなく、テープの残り時間や経過時間が高精度な値で表示できます。
また、ピークホールド機能付きの-40dB~+12dBの範囲で表示できる17セグメント2色ピークメーターを搭載しており入力レベルの細かい監視が可能です。
オートテープセレクターによってローディングされたテープは自動的に種類が検知され、バイアス・イコライザー値がセットされます。
オートモニター機能を搭載しており、録音スタンバイの時はソース側に、スタートごはテープ側にモニターポジションが自動的に切り替わります。
振動や共振による音質劣化を極力防ぐため、高強度の底板を採用し、さらにペデスタルの大型化と振動防止剤の二重成形による高剛性化が図られています。



